まもなく試作画像の発表と正式受注の開始を予定しております「M2タイプ・ビンテージクラスター」の各部仕様に関する詳細解説を本日から数回に分けてご案内させて頂こうと思います。
本日はまず、本製品の「キモ」ともいうべきリング部分の解説です。
そもそも、旧仕様において「独立メーターの風合い」と「M2メーターのリングの趣」を再現すべく採ったのが“スピードメーターとタコメーターの直径を縮小する”という手法でした。各リング同士のクリアランスを確保することでで独立メーターの雰囲気を、リングを極力存在感のあるシルエットにすることでM2メーター風の趣をそれぞれ表現しました。この手法から生じる唯一の弊害は「純正盤面ではなく、必ずTYPE-RSかTYPE-Smith ver.IIへの同時交換」が必須だったということです。RS/SmithIIともに、速度計と回転計の意匠を純正よりも縮小して配置しており、リングとの兼ね合いを前提にグラフィックを起こしました。
今回発表するM2タイプ・ビンテージクラスターにおいては、旧モデルよりもさらに内径を縮小し、正面から見た際の「リングの存在感の増大」を図っています。ほんの数ミリの世界なのですがこのイメージ図(黄色部分が該当箇所)からもわかるように効果は一目瞭然なのであります。M2でも、1001と1002ではメーターに違いがあり、RSプロダクツではより趣が深い1002のリングシルエットをモチーフにして図面を起こしています。
また、クロームメッキの質感にも大きな拘りを以って臨みました。具体的には、英国スミスメーターのリングの輝きをその目標として掲げており、いわゆる「溶けたチョコレートでコーティングしたような“ヌルっ”とした質感」を目指しました。前期モデルではアルミ、後期モデルでは真鍮を採用した旧仕様のリングでしたが、今回はクロームメッキの「乗り」を最優先に考えた結果、再びアルミに戻しております。
ざっくばらんに申し上げますと、本製品の中で最もコストをかけているのがこのリング部品です。大2ヶ・小3ヶの計5ヶのリングだけで、実は1.5諭吉弱を費やします。受注生産品となること、業者さんへやショップさんへの卸売りをお断りしていることから既におわかりかと思いますが、とにかく今回の製品は「採算度外視」の様相が色濃く、ほとんど「自己満足」の世界なのであります。NAが好きで、味わいのあるメーターが好きな酔狂(私)が、同じ志を持つ人々のためだけに体を張って仕上げる製品です。自ら「NAメーターの決定版」と宣言する理由を、このあたりからも少なからずご理解頂けますでしょうか。
明日は、今回のM2タイプ・ビンテージクラスターの目玉「小メーター用インナーパネル(内部パネル)についてのご案内です。